情報を得るには相手の役に立つこと

∞Laboの「他人から知恵を借りる」仕組みは、3つのポイントに集約できる。

[1]面白い人やアイデアが集まる場所、仕掛けをつくる
KDDI∞Laboではまず、起業志望者を募集。書類、面接審査を経て、合格者とプログラム参加契約を締結する。拠点は飯田橋の本社ビルではなく、DeNAやLINEが入居する渋谷ヒカリエに置いている。
[2]自分の得意分野を提供する
面白いアイデアを持った起業家はいるが、ヒト、モノ、カネが足りない場合が多い。KDDIでは、プログラム参加者に対し、3カ月間、専任の社員をつけ、事業開始までのサポートを行う。
[3]直接的な対価より、長期的なメリットを
プログラム参加者からアドバイス料は取らない。3カ月の支援後、プログラム参加者のビジネスプランに対し、講評を行う。収益性が見込めれば、引き続き事業提携が進むこともある。

このポイントは、個人にも応用できそうだ。新規ビジネスを考えているのであれば、さまざまな業界や職種の友人、知人を集めて、勉強会を主催するのもいいだろう。自分で主催するのが苦手な人は、勉強会やSNSのコミュニティーに参加するのも1つの方法だ。

ただし、人からアイデアを得るためには、自分自身が専門的な知識や技術、経験を持っていることが大前提。相手の役に立たなければ、自分の役に立つ情報はもらえないことを肝に銘じておこう。

KDDI バリュー事業本部 新規ビジネス推進本部戦略推進部長
江幡智広
(えばた・ともひろ)
1993年、DDI入社。2001年よりコンテンツ事業に関わる。NAVITIME、Google、GREE、Facebook等との事業・出資提携に従事。12年KDDI Open Innovation Fundを活用したビジネスデベロップメントの責任者に、13年KDDI∞Labo長に就任。
(Top communication=構成 的野弘路、貝塚純一、太地悠平=撮影)
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