思い立ったらすぐできる気分転換
こんにちは。産業医の武神です。
同じ職場、同じ上司、同じ業務量にもかかわらず、いつも元気な人と、いつも疲れていてやがてメンタルヘルス不調に陥ってしまう人がいます。
私は毎年1000件を超える産業医面談をする中で、この違いは日常のちょっとした習慣にあると気がつきました。そこで今月は、忙しくてもいつも元気な人の行動習慣について、3つお話しさせていただこうと思います。
1つめは、この連載で何度も言っていることですが、不安やストレスに悩まされずメンタルヘルス不調にならない人は、必ず、気分転換になる趣味を持っています。ただし、より詳しく見てみると、どんなに忙しくてもいつも元気でいる人は、思い立ったらすぐできる趣味・気分転換を持っています。
趣味は気分転換にもなり、エネルギーを補充してくれます。趣味の時間を持てた日は、よく食べられ、よく眠れるため、明日の活力に繋がります。
散歩、楽器、塗り絵、刺繍…
この趣味は何も特別なものである必要はありません。高額なパーソナルトレーニングや高級グルメ、早朝の瞑想などではなく、自分が純粋にやりたいと思うこと、時間の経過を忘れて集中してしまうこと、そういうものであれば何でもいいんです。
むしろ、忙しい生活の中でもサッとはじめやすいことのほうが重要です。運動靴を履きすぐに散歩に行ける、部屋に楽器が置いてありすぐに弾ける、姿勢を正して目を閉じればすぐに瞑想ができる……。着替えや移動に時間がかかるようだと、なかなか腰は上がりません。
私の経験上、移動時間、準備、費用、予約は、いずれも忙しい人たちにとっては始められない理由に直結します。家でサッとできること、隙間時間にできること、思い立ったら3分以内にはじめられること。そんな趣味がある人は、忙しい中でも気分転換の時間が取れていて、元気であり続けられていると思います。
面談の中では、塗り絵や刺繍を手の届きやすいところに置いている人、筋膜リリースの器具をソファに置いている人、そのままランニングに行ける部屋着を着ている人などがいました。
反対に、趣味がゴルフやプール、旅行だけの人は、移動や身支度等を考えると週末にしかできません。そのため、今の趣味は大切にしつつ、平日でも短時間でサッと始められる趣味を、別に持てるといいなと思います。

