「世界のNEC」を支えた技術と人材

技術で勝ち残るのか、人材の処遇で勝負するのか。1899年に日本初の外資合弁企業として設立された日本電気(NEC)は、この問いと向き合い続けてきました。今回は、老舗ハイテク企業の挫折と再起をたどる3本の記事をお届けします。

1本目は、東洋経済記者の山川清弘さんによる、NECの浮沈を追った解説です。1980年代から90年代初頭にかけて「PC-9800シリーズ」で国内市場を席巻しながら、世界標準への移行が遅れ、2000年度には営業赤字72億円に沈んだパソコン事業。その敗北があったからこそ、同社は新たな武器で世界一にたどり着けたと読み解きます。

2本目は、NECフェローの今岡仁さんによる、顔認証技術の開発現場を振り返った手記です。10人弱いた部員は自分と新人の2人だけになり、世界の研究者の間にも諦めムードが漂い始めていたといいます。それでも世界一を狙う決断ができたのはなぜか。門外漢から出発した研究者の歩みが語られます。

3本目は、人事ジャーナリストの溝上憲文さんによる、新卒年収1000万円をめぐるレポートです。NECやくら寿司が打ち出した破格の待遇は、年功序列の意識が残る日本企業に何をもたらすのか。同一企業内の給与格差データを手がかりに、同期や先輩の視線という、待遇改革が抱える別の課題に迫ります。

何を強みとし、誰にどう報いるのか。一つの企業の歩みから、日本のものづくりと働き方の現在地が浮かび上がります。

「パソコンで大敗したNEC」が再び世界トップへ…営業赤字72億円のどん底から復活させた"世界最高峰の技術"

(2026年4月14日公開)

「パソコンで大敗したNEC」が再び世界トップへ…営業赤字72億円のどん底から復活させた"世界最高峰の技術"
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Sundry Photography)

1980年代、日本のパソコン市場はNECが支配していたが、その成功モデルはやがて限界を迎える。どのようにして復活を遂げたのか。東洋経済記者の山川清弘さんは「PC事業での敗北があったからこそ、同社は新たな武器で世界一にたどり着けた」という――。<続きを読む>

 

10人弱の部員がたった2人に…それでも「顔認証で世界第1位」を達成した研究者が守り通したたった一つのこと

(2023年6月8日公開)

10人弱の部員がたった2人に…それでも「顔認証で世界第1位」を達成した研究者が守り通したたった一つのこと
NECフェロー 今岡仁さん(撮影=宇佐美雅浩)

今ではChatGPTで世界を席巻したOpenAIだが、その価値が社内ではあまり評価されず、プロジェクトが停滞した時期があったと伝えられている。世界第1位の精度を誇る顔認証技術を開発したNECの研究者たちも、似たような苦難の道のりを歩みながらAIの改良を続けてきた。その研究と実用化をリードしてきた今岡仁NECフェローが令和5年春の紫綬褒章を受章した。これまでの歩みを今岡氏が振り返る――。<続きを読む>

 

"年収1000万新卒"をぶっ潰す年功序列の陰湿

(2019年9月30日公開)

"年収1000万新卒"をぶっ潰す年功序列の陰湿
※写真はイメージです(写真=iStock.com/studiocasper)

NECやくら寿司が提示した「新卒年収1000万円」が話題を呼んでいる。人事ジャーナリストの溝上憲文氏は、「日本企業ではいまだに年功序列の意識が色濃く残っている。職業経験のない“真っ白”な学生に対する破格待遇への妬み嫉みは避けられないのではないか」と指摘する――。<続きを読む>

 
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