わずか4年間。学べるものには限りがある。だが、出会った仲間とは、終生の縁になる。学生数の多さとは、可能性の広さだ。振り返ったとき、その価値に気付く――。
「超一流大学卒」よりも目の前の仕事に懸命
日本大学は言わずと知れた日本屈指の総合大学だ。法学部から芸術学部、薬学部まで文系、理系、医歯薬系の14の学部を持ち、通信教育学部を含めた学生数は約7万3000人。毎年、約1万6000人の新入生を迎える入学式は、日本武道館で3度に分けて行われる。「日本一社長が多い大学」としても知られるところだろう。歯学部出身の大塚吉兵衛学長は言う。
「学生の母数が桁外れに多いこともあり、日本のあらゆる場所に卒業生がいる。例えば地方の公務員になる学生も多く、社会の基盤となる部分で様々な人が活躍しているところに、日大の強みがあると思うんです」
では、そんな中、社を背負って立つキャリアを歩んだ人々には、どのような特徴があるのだろうか。大塚学長は次のように続けた。
「日大は良くも悪くも一般的な位置づけの大学。その意味でよく指摘されるのは、得てして自己評価が高くなりがちな超一流大学の卒業生と比べて、うちの卒業生は新入社員の頃からその場その場の仕事に積極的に取り組んでいく力が強いこと。社長にまでなる卒業生は特に最初の数年間の下積み時代、懸命に目の前の仕事をする中から次のキャリアを切り拓いていった人が多いのではないでしょうか」