人生観を揺さぶる金融危機の波乱
いちよし証券会長 武樋政司
1943年、新潟県生まれ。67年東北大学法学部卒業、野村証券入社。90年野村証券常務。93年一吉証券(現・いちよし証券)副社長、95年社長、2006年相談役、07年社長に復帰。2012年より現職。
1943年、新潟県生まれ。67年東北大学法学部卒業、野村証券入社。90年野村証券常務。93年一吉証券(現・いちよし証券)副社長、95年社長、2006年相談役、07年社長に復帰。2012年より現職。
1989年12月29日、東京証券取引所の大納会は、かつてない熱気に包まれた。平均株価の終値は3万8915円87銭。周囲の面々が「年明けには4万円だ」と叫ぶ。誰も、それを「異常」とは思わない。ときに46歳。野村証券で、株式売買の頂点に立つ株式部を受け持つ取締役だった。
社内でも、支店巡りでも、常にオーソドックスな相場観を語り、右肩上がりの相場の下で「慎重」とみられていた。「4万円」の声に押されるように、新年の営業体制を指示したが、胸中に何か腑に落ちないものがある。前に秘書としてつかえた社長の教えもあった。「そう、いいことが続くはずもない。何か、予防的な手を打っておく必要があるか」。だが、そんな疑問符は、熱気に飛ばされる。
結果、大納会が最高値となり、あとは急降下。金融引き締めでバブルが崩れ、平均株価は9カ月で2万円近くまで落ちる。正直言って、そこまで下がるとは思わなかった。金融機関に不良債権が膨らみ、ついには大手の銀行や証券会社が破綻する金融危機へ至る。
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