東京・赤坂に進出「非日常」の場所へ

JR九州会長 唐池恒二
1953年生まれ。77年京都大学法学部卒業、日本国有鉄道入社。87年国鉄分割民営化に伴い、九州旅客鉄道(JR九州)総務部勤労課副長に。95年外食事業部長、96年JR九州フードサービス社長、97年経営企画部長、2000年JR九州フードサービス社長、03年取締役、06年常務、09年社長。14年より現職。

1996年の大晦日の夜、春に開業した人気商業施設の屋内広場を、訪れた。外食事業を分社化して、JR九州フードサービスを設立。その社長に出向し、始めたオリエンタル料理レストラン「イテキエ」の従業員らが、迎春を控えて賑わう広場に出店していた。

驚いた。店が、お客であふれている。別の直営レストランでアルバイトをしている青年が、帰省していた友人をかき集め、対応している。「こういうことをやってみたい」との意欲を受け止め、当時の会社では例がない試みを、認めてみた。仕事の邪魔にならないように様子をみて、頷き、「ご苦労さん」と声をかけて離れる。