購入前にしっかり築年数をチェック

それはまさに「聞いてないよ!」と叫びたくなる事態でしょう。

中古マンションを安く購入できたものの、入居後すぐにマンション全体の大規模修繕の費用を負担しなければならなくなった。しかも、その額は数十万円だって! といった事例は、現状はそれほど多くはないですが、今後増える可能性があります。

大規模修繕とは、区分所有者の共有財産である外壁の改修や、バルコニーの塗装、屋上防水、給・排水設備などの手入れをすること。10階建て程度で世帯数80~100の中層マンションの場合、大規模修繕費の総額は3000万~5000万円で、一戸あたりの負担は40万~50万円が目安になっています。さらに知っておくべきは、大規模修繕の実施サイクルが多くの場合、10~13年ごとであるということです。

つまり、前出のような「寝耳に水」を防ぐためには、そのサイクルを購入前に把握しておけばいいということになります。例えば、不動産物件広告の情報に掲載された「築年数」をしっかりチェックすれば、自分の購入後の何年後に大規模修繕があるか知ることができます。あるいは、購入前に仲介業者を通じて「近々、修繕はあるか」といった問い合わせをしてもいいでしょう。仲介業者からの問い合わせであれば、管理会社もある程度の情報は公開するはずです。そのマンションの住人に直接聞いてもいいのですが、不審に思われる可能性があるので、「公式ルート」で聞くことをお勧めします。

そもそも大規模修繕を済ませたばかりの中古物件の不動産広告にはその旨が掲載され宣伝材料のひとつとなることが多い。注意が必要なのは、逆に近々大規模修繕を控えている場合。広告で事前告知することはまず考えられないので購入者は抜け目なく確認しなければなりません。