【田原】そもそもの話だけど、どうしてガソリンバイクより電動がいいの?

【徳重】一番は燃費です。ランニングコストで、電池の交換を含めて2割か3割安くなります。

【田原】2割で消費者は買い替えるかな。

【徳重】日本人は燃費に対しての意識が低いですが、他のアジアの人たちは敏感です。たとえば中国やインドは給与に対するガソリンフィーの割合が高く、燃費が5~10%違うだけでも大きい。20~30%違えば十分に買い替えの動機になります。

【田原】シェールガス革命で安くなることも考えられます。不安はないですか。

【徳重】たしかにシェールガス革命はEV事業者にとって一つのリスク要因です。ただ、僕がいまアジアの現場を回っているかぎりでは、シェールガスの話は出てきていない。むしろ多くの国が原油の輸入で貿易赤字になっていて、石油依存からどうやって脱却するのかということが大きなテーマになっています。ですから当面は問題にならないのではないでしょうか。

テラモーターズ社長 徳重 徹
1970年、山口県生まれ。九州大学工学部卒業後、住友海上火災保険(当時)入社。29歳で退社後、米Thunderbird国際経営大学院でMBAを取得し、シリコンバレーでベンチャー支援事業に携わる。2010年にテラモーターズ設立。2年で国内シェアトップに。12年にはJAPAN Venture Award中小企業庁長官賞を受賞。
田原総一朗
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経てフリーに。活字と放送の両メディアで評論活動を続けている。『塀の上を走れ』『人を惹きつける新しいリーダーの条件』など著書多数。
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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