環境に優しい次世代の乗り物として注目されている電動バイク。国内最大手は2010年に設立されたばかりのテラモーターズだ。本社は渋谷の雑居ビルにある四畳半のレンタルオフィス。そこから「日本発のメガベンチャー」を目指すと豪語する徳重徹社長に、田原氏が切り込んだ。
テラモーターズ 徳重 徹社長

【田原】徳重さんは、電動バイクをベンチャーでやっている。でも、最初は住友海上火災保険(現・三井住友海上)にお勤めだった。畑が違う分野ですね。

【徳重】もともと自分で会社をやりたいという夢は持っていました。ただ、うちの父親は「いい大学に入って、いい企業に入ることがおまえの幸せだ」というタイプで、僕は自分の意志を貫くことができなかった。就職のときも、実家がある山口に事業所がある会社ならいずれ地元に戻ってこられるということで、住友海上に入社しました。

【田原】何年いたんですか。

【徳重】5年半です。経営企画という全体を見られる部署に配属になったので、最初の3年間はやりがいがあって、仕事に没頭していました。ただ、会社の上のほうにいる人たちを見たとき、どうも違うなと感じ始めて……。

【田原】具体的にいうと?

【徳重】当時の役員たちは、リスクを取って事業を拡大していくタイプじゃないんです。

【田原】そりゃそうだよ。日本の企業でリスクを取る人は役員になれない。

【徳重】やはりそれではつまらないと思って、人生を1回チャラにするつもりで29歳のときに会社をやめました。

【田原】それから渡米してMBAを取ったそうですね。

【徳重】とにかくベンチャーをやりたかったんです。ベンチャーをやるのに一番おもしろい場所といえば、シリコンバレー。ただ、僕はエンジニアではないので、いきなり行っても相手にされません。それならMBAを取るしかないと考えて、アリゾナでMBAを取得しました。そのあとシリコンバレーでインキュベーションの仕事をやりながら、起業のネタを探していました。