1人1万円しか使っていない分野

言うまでもなく、SUSHI BUSのメインターゲットはインバウンド観光客です。

訪日外国人旅行者数は確実に伸びており、2025年は4268万人と過去最高となりました。消費額も過去最高の約9.5兆円(25年)と、19年の約4.8兆円からほぼ倍増しました。

彼らは一体、何にお金を使っているのか。JNTOのデータによると、比率は宿泊費、買い物、飲食の順のようです。最近では買い物よりも「体験」にお金を使うようになり始めているというデータもあり、娯楽サービス業はこれからの注目カテゴリーです。

というのも、娯楽サービスの消費額は全体消費額の4.5%に過ぎず、1人当たり約1万円にとどまります。飲食の21.9%と比べるとかなり低い消費額と言わざるを得ません。

【図表1】訪日外国人旅行消費額
観光庁「観光の現状等について」より

26年は中国人観光客の減少、台風の影響による減便などもありインバウンド数は減少傾向(26年1~8月までの累計2762万人、前年比-2.7%)ではあるものの、東アジアや欧米、豪、中東からのインバウンド数は増加しており、前年に近い数値はいくのではないかと思われます。

使用金額は増加傾向にあります。26年4〜6月期の訪日外国人旅行消費額は2兆5125億円(2025年同期比0.3%増)です。円安を背景にした日本での消費欲は旺盛とはいえるものの、やはり娯楽サービスの消費額は5%未満です。日本でのインバウンド消費を伸ばすカギは、まだ伸ばしきれていない娯楽サービスにあるのです。

食×体験という未開拓地

体験消費は注目されているのに、日本での娯楽サービス消費はなぜ伸びないのでしょうか。

観光庁では令和7年度「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」調査結果を発表しています。

特に「施設等のスタッフとのコミュニケーション」、「観光地や地域の混雑」、「交通機関の利用」、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」、「クレジット/デビットカードの利用」において旅行中に困ったことがあったと答えています。実はこうした課題があるのに、それに対応している娯楽サービスが少ないことが大きな要因なのです。

これは何もテーマパークなどの娯楽施設に限った話ではありません。訪日客からすると、日本の観光市場の中でも飲食店、特に寿司屋は敷居が高く、その仕組みやマナーなどに困惑する方も多いようです。

日本人には当たり前でも訪日客には困りごとが多々あるのです。これらを解決してあげれば、日本の娯楽サービス事業だけでなく、飲食費もはまだまだ成長していく可能性が高いと筆者は考えています。

この点でSUSHI BUSはその課題をクリアしようとしているように見えます。インバウンド成長を阻む訪日客の困りごとをどんなやり方で超えようとしているのかを見ていきたいと思います。

SUSHI BUSSを楽しむ観光客。
画像提供=SUSHI BUS
SUSHI BUSSを楽しむ観光客。