仕事のできる人は、物事をどのように判断しているか。人材育成コンサルタントの嶋津良智さんは「目標を達成するためには、即断即決を身に着ける前に、まずは我慢や忍耐力という下地を整えるほうが先だ。速い思考は時折、誤った判断をしてしまう」という――。

※本稿は、嶋津良智『目標を「達成できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

仕事で問題を抱えるビジネスウーマン
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即断即決が必ずしもいいとは限らない

私の友人に、抜群の行動力を持つ経営者がいます。

彼が知人の話をした時に、「へえ、面白そうな人だね。一度会ってみたいなあ」と言おうものなら、スイッチが入ります。彼はすぐに電話して、「嶋津さんという人を紹介したいんだけど、いつなら空いてる?」と、その場で会う約束を決めてしまうのです。

この友人のように、ビジネスパーソンも経営者も、優秀な人の多くは即行動します。ただし、目標を達成するためには、即断即決が必ずしもいいとは限りません。

むしろ、目標を達成するには時間がかかることが多いので、我慢や忍耐が必要になります。即断即決を身に着ける前に、まずは我慢や忍耐力という下地を整えるほうが先です。

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの著書『ファスト&スロー』(村井章子訳/ハヤカワ・ノンフィクション文庫)に、「システム1」「システム2」という2つの思考が出てきます。

システム1は直観的で速い思考、システム2は意識的で遅い思考。人は日常的には速い思考で考えているそうです。たとえば車の運転で「赤信号だからストップ」「曲がるときはウィンカーを出す」などと、瞬時に判断を下します。

ところが、システム1は時折、誤った判断をしてしまいます。ダニエル・カーネマンによると、システム2は怠け者なので、システム1の間違いをなかなかチェックしてくれないとのこと。

つまり、即断即決しそうなときに、「これで本当にいいのか?」と立ち止まる習慣を身に着けておくと、間違った判断をする確率が低くなると言えます。