漁協幹部は「海はうねっていた」と証言

事故当時の海域は本当に穏やかだったのか――。

浦島氏の発言を受け取材に動いたが、裏付けはとれなかった。

地元漁協の幹部が産経新聞の取材に応じ、事故当時の海の状況について「うねりがすごかった」と改めて証言した。浦島氏の主張を全面否定した形だった。

春の奄美の海
写真=iStock.com/KOSAC HAMADA
※写真はイメージです

名護漁業協同組合辺野古支部の川上将吾支部長は「辺野古の海人は反対派から誰も話を聞かれていない。『海人の証言』は噓だ」と指摘した。

沖縄気象台によると、事故が起きた3月16日は現場周辺に波浪注意報が出され、波高は約3メートルと予報されていた。川上氏は「うねりがすごかった。(波高は)実際には3~5メートルあったと思う」とし、浦島氏の発言を疑問視した。

一方、川上氏によると、抗議船は辺野古漁港で船の上げ下ろしはできるものの、乗降は認められていないという。このため同校の生徒らは当日、上部の平面部分が幅約43センチしかない細い防波堤を歩き、高低差約1.3メートルある砕石の積み上げられた場所まで降り、そこから抗議船に乗船したとみられている。

抗議船2隻は普段、抗議団体の活動拠点「テント2」で保管されており出航する際は辺野古漁港までトレーラーに載せて公道を牽引けんいんしていたが、ナンバープレートなどは確認されておらず、川上氏は「『違法だ』と伝えたが、改善は見られなかった」とも証言した。

辺野古区長「平和学習とかけ離れている」

米軍普天間飛行場の移設先で、事故現場の海域に近い名護市辺野古区では今回の平和学習をどうみたか。徳田真一区長が取材に応じ「生徒が(洋上から)埋め立ての場所を見学するのは平和学習とかけ離れている」と反対協を明確に批判した。

生徒らは事故当日、細い防波堤を歩き、足場の悪い場所から抗議船に乗船。2隻は波が立ちやすい沖合のリーフエッジ(サンゴ礁の端)付近で転覆したとみられている。徳田氏は「リーフエッジに沿って航行し、横波を受けたと思う。辺野古の海を知っている人はああいう運航の仕方はしない」と指摘した。