グルメサイトの「隠れたコスト」とは

谷口氏はかつて、グルメサイトの代理店業務に携わっていた時期がある。そのグルメサイトは予約1件あたりではなく、予約代金に応じた一定の割合を手数料として徴収する成果報酬モデルだ。飲食業界の利益率は一般的に2〜3%程度と言われており、送客手数料の負担は重い。

その結果、現場で何が起きるか。谷口氏はこう明かす。

「一部の飲食店ではグルメサイト経由の客の料理を調整していました。量を減らす、材料を安いものに置き換える、古い食材を使うなどの対応をしているというケースもあったようです。刺身の盛り合わせからマグロを抜くなどの話も聞きました。そしてそのグルメサイト経由のお客様は店の左半分、その他のお客様は右半分に配置します。隣り合わせになると、明らかに量が少ない、野菜の色が悪いと客に気づかれてしまうからです」

送客手数料の弊害を語る谷口氏
撮影=西田香織
送客手数料の弊害を語る谷口氏

飲食店を予約するとき、既知の店だったとしても連絡先をネットで検索する人は多いだろう。その際、グルメサイトの店舗ページがヒットすれば、そのまま予約に進む。すると、店舗としては送客手数料が発生してしまう。常連客としても、グルメサイトの選択肢によって割を食う構造だ。

予約件数にかかわらず月額固定費のみ

本来は新規客を呼び寄せるためのグルメサイトが、常連客にすら損失を与える可能性がある。この不公平な構造を目の当たりにしたことが、TableCheckの事業モデルの原点になった。

谷口氏は、グルメサイトとは正反対の道を選んだ。ネット予約がいくら入っても追加費用がかからない、月額固定費のみのビジネスモデルだ。店は予約件数を気にせず、ネット予約を安心して活用できるようになる。

料金は店の席数に応じた3段階の固定制で、機能はどのプランも同じ。谷口氏は、立ち上げ期に個人店から寄せられた声をこう振り返る。

「なぜホテルのレストランのような100席以上あるような店と、個人経営の席数が少ない店でシステム料が同じなのかと聞かれたのです。そこで、規模の小さなお店でも使えるように3段階の料金プランにしました。また、狭い店でも導入できるようにタブレットやスマホで管理できるシステムを構築しました」

TableCheck管理画面。予約状況が色分けされ、ひと目でわかるようになっている
写真提供=TableCheck
TableCheck管理画面。予約状況が色分けされ、ひと目でわかるようになっている