高市早苗首相が国会で「(朝のしたくでは)お化粧にも時間がかかる」と発言。批判を浴びている。ドイツ出身のサンドラ・ヘフェリンさんは「世界各国で女性のリーダーは増えてきたが、彼女たちを外見でジャッジするルッキズムはなくならない。最近も『鼻のイボを取ったほうがいい』という声に反発した女性首相がいた」という――。

習近平夫人と高市首相を比べる投稿

2026年9月、中国の習近平しゅうきんぺい国家主席と彭麗媛ほうれいえん夫人がアメリカを訪問しトランプ夫婦と共にさまざまな行事に参加しました。彭麗媛夫人が飛行機のタラップを降りてくる姿、行事(式典)で拍手する姿などの写真が拡散され、SNSでは「立ち居振る舞いが優雅」といった投稿がされる一方で「それに比べて高市総理は……」と高市総理の容姿や立ち振る舞いを批判する内容の投稿が相次ぎました。

公の場に出る女性は男性の何倍も容姿、立ち振る舞い、所作などが重要視される傾向があります。高市首相を非難する数々の投稿を見て正直「またか……」と残念な気持ちになりました。

ところで日本では「ヨーロッパの国は男女平等だから、女性は容姿などではなく実力で評価される」なんて思われがちですが、必ずしもそうではありません。先日、男女平等が最も進んでいるといわれている北欧、デンマークでとんでもないニュースがメディアを賑わせていました。

デンマーク女性首相の「鼻」騒動

ことの発端はこうです。デンマークのMette Frederiksen(メッテ・フレデリクセン)首相(女性)は8月にウクライナを訪問しました。首相はウクライナ滞在中に空襲警報を経験し、現地が今もなお深刻な状況にあることを確認しました。デンマークに戻ると、首相のもとにインスタグラムで、こんなメッセージが届きました。

デンマークのメッテ・フレデリクセン首相
デンマークのメッテ・フレデリクセン首相(写真=クリスチャン・ウルシルバ/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons)

メッセージの内容は次の通りです。「あなたの鼻の上のイボをとったほうが良いのではないでしょうか? よければ、とりますよ」送り主は美容整形外科医の男性です。

首相は美容整形外科医の氏名を伏せた上で、SNSでメッセージのスクリーンショットを公開したわけです。首相は次のように返事しています。

「鼻をなおす必要はありません。私は私の、もうすぐ50歳になろうとしている女性の自然な体に満足しています。男性の美容整形外科医からのアドバイスは必要ありません」

実は今回のみならず、過去何年間にもわたり、首相のもとには「容姿に関するアドバイスや意見」が数多く届いていたのだといいます。内容は「髪の毛が薄い」「歯が綺麗ではない」、挙げ句の果てには「肌にボトックスを注射したほうが良いのではないか」というものまで。それらが数えきれないほどの数に達したため、首相は今回しびれを切らし、自らインスタで反論をするという行動に踏み切ったわけです。