「ブス!」と言う男性がいるのはなぜか

気に入らない女性がいたり、議論に負けそうになったりすると、「ブス!」とやってしまう「男性によくみられるあの現象」はルッキズムであり、男性の特権意識であり、ジェンダー・ハラスメントでもあります。女性ばかりが容姿について頻繁に言及されるのは理不尽であると同時に今の時代の多様な価値観にそぐわないものです。

ところで「人間の内面は顔に出る」「年齢を重ねると、その人の内面が全面的に顔に出る」といった意見を聞くことがあります。筆者自身はこういった意見には懐疑的です。もちろん内面が顔に出ることがあることは否定しません。しかし「ほうれい線があって、眉間にしわが寄っていて、怖そうな顔の高齢女性」は本当に「内面が顔に出ているか」というと、そんなことはありません。

人の内面は外見に出たりしない

ヨーロッパにいるとよく経験することですが、日本の感覚で言えば「意地悪そうな顔をした人」が関わってみればとても良い人だった、なんていう話はゴマンとあります。その人の顔にどのようなシワができるか、顔がどのように老化していくかは、決して「内面が顔に出る」という部分ばかりではなく、肌質、色素、顔立ちといった「その人が生まれ持った要素」がモノをいうことも多いのです。

「内面は顔に出る」を過信することの問題は「見た目が良い人は性格が良いはず」「見た目が悪い人は性格が悪いはず」とまさに「ルッキズムそのもの」の思考に繋がりやすいことです。

筆者はあまり視力が良くなく、その上パソコンで作業する時間が長いため、眉間にシワを寄せて仕事をしていることが多いです。そして、それが通常の顔となりつつあります。もしかしたら、街中ですれ違った人達から「あの人は年齢を重ねて意地悪な性格が顔に出たんだな」なんて思われているかもしれません。

人がそう思うのは勝手ですが、「見た目でその人の内面が分かる」と勝手に分かった気になったり、「人間は見た目が全て」というような美容業界にありがちな判断基準が社会で広く共有されたりして、一般常識になってしまうのは好ましくないと思います。

容姿に物申す男たちに「NO」

前述のFrederiksenデンマーク首相は「他人の容姿について言及する」という行為自体に疑問を持っていることをあらわにしました。首相は次のように発言しています。「私は他の人に対して『容姿をどのように変えたらよいのか』『見た目をこうしたほうが良い』などのアドバイスをしたことはありません。それは私が口出しをするところではないからです。それなのに私に対する容姿に意見するメッセージが後を絶ちません」首相はこう続けました。「私にメッセージを送る時は(メッセージは大歓迎です)、私の鼻よりももっと重要なテーマについて書いてください」