「次の世代」の資産形成を促す新制度
2027年1月、「こどもNISA(少額投資非課税制度)」がスタートする。こどもNISAの対象は0~17歳だ。投資金額の上限は60万円/年、非課税の保有限度額は600万円になる。既に10月1日から、一部の銀行や証券会社がこどもNISA口座開設の事前予約を開始している。
こどもNISAの目的は、次世代の資産形成を促し、大学進学などに必要な資金を貯めることを後押しすることにある。
この制度の主なメリットは、非課税投資枠が拡大することだ。年間60万円という金額を見ると、非課税投資額は贈与額の基礎控除(110万円)を下回るが、投資対象が株式を中心に運用する投資信託であることもあり、長期で積み立てた額が大きく増えることも期待できる。
少子高齢化が進み、年金制度の維持が難しくなることが予想される中、個人個人が、自分の経済状況に応じて資金運用を行い、将来に備える意味は大きい。また、投資資金が株式などに回ることで株式市場に活気が出て、経営者の意識や国民の心理の改善につながることも考えられる。
NISAを使う個人にとっても、年金制度を運営する政府にとっても、相応のメリットは十分にあるはずだ。
子どものうちから格差が生まれやすい
ただ、NISAについて、制度として改善が期待される部分も多い。まず、金額が少額であることもあり、資産を子どもや孫に継承するには十分ではないとの指摘は多い。
日本のNISAは、英国のISA(Individual Savings Account、個人貯蓄口座)を模した制度だ。英国のジュニアISAでは、資産の種類別に2つの口座を設定し、リスクを管理しやすくする工夫がなされている。一方、日本のNISAにはそうした工夫はない。
また、こどもNISAの利用者が増加するにつれ、資産を持つ人とそうではない人の経済格差が世代を超えて拡大することも考えられる。そうした懸念を払拭するための工夫が必要になるだろう。

