仕事がデキる人ほど、休日も遊びの計画をぬかりなく立てる。しかし、その頑張りが大きな資産を失うことに、多くの人は気づいていない。富裕層マーケティングを長く手掛ける西田理一郎さんは「私の知る経営者は休暇を過ごすために、2000万円の年会費を払ってコンシェルジュを雇っている。しかも依頼は『3日間、妻と地中海方面に行きたい』。これだけだ」という――。

自分で検索しているとお金が逃げる

「富裕層はなぜ、使っても使っても資産が増え続けるのか」。この問いへの答えは、彼らが休日をどう過ごしているかに表れている。

一般のビジネスパーソンにとって、旅行の醍醐味の一つは「計画を立てること」である。数カ月前から旅行サイトを比較してコストパフォーマンスの良い航空券を探し、SNSやグルメサイトの口コミを読み漁って絶対に失敗しないレストランを予約する。「1日目はここを観光して、2日目はあそこで買い物をして……」と、しおりを作るように分刻みのスケジュールを組むことに喜びを見出す人は多い。

しかし、世界のビジネスシーンを牽引する本物の超富裕層たちにとって、純粋な「休息」を目的とした旅行において、計画を自分で立てるという行為は、本業のパフォーマンスを低下させる「有害なノイズ」でしかない。もちろん、アートの買い付けや特別な趣味など、明確な目的がある旅では自ら主導権を握る。しかし、脳を休めるための旅においては、徹底して決断を手放すのだ。休日に「今日はどこに行こうか」と迷い、スマートフォンで検索を繰り返している時点で、彼らとはまったく別のゲームを戦っていることになる。

では、トップエリートたちは休日に何をしているのか。彼らは大金を払って「決断しない権利」を買い、自らの脳を徹底的に休ませている。一見すると他力本願にも思えるこの「ゼロ・チョイス(決断ゼロ)」の消費行動に、彼らが週明けに冴えた判断を下し続けられる理由が隠されている。

年会費2000万円のサブスクで富裕層が得ているもの

私がこれまで接してきた外資系企業のトップや、莫大な資産を動かす投資家たちは、休日の予定を自分で決めることを極端に嫌う。彼らの背後には、世界最高峰の超高級コンシェルジュクラブが存在し、ありとあらゆる手配を完璧に代行しているのだ。

たとえば、英国ロンドン発祥で世界中に展開する「Quintessentially(クインテッセンシャリー)」や、世界で最も高額とされる招待制コンシェルジュサービス「Knightsbridge Circle(ナイツブリッジ・サークル)」といったサービスがそれにあたる。とくにKnightsbridge Circleの最上位であるエリート会員ともなれば、年会費は実に10万ポンド(約2000万円)にも上るといわれている。

2000万円も払うのだから、さぞかし密な相談を重ねて旅程を練り上げるのだろう。そう思われるかもしれないが、実際に交わされるやりとりは驚くほど短い。

私が担当したあるクライアントの経営者は、コンシェルジュに対してこう伝えたという。

「今週末から3日間、妻と地中海方面に行きたい。あとは任せる」

たったこれだけである。

検索時にプレジデントオンラインに関連する記事が表示されます

【関連記事】
ギャンブルでも、旅行でも、美術品収集でもない…和田秀樹が手を出すなという「世の中で一番金のかかる趣味」
安っぽい服ばかり着ていると人生大損する…トップスタイリストが教える「今すぐやめたい残念な服」の特徴
バフェットも「現金は危険だ」と警告した…オルカンでもS&P500でもない、インフレ時こそ強さを発揮する「資産」
地方衰退の一番の原因は「人口減少」ではない…山口の超富裕層が「住民税43億円」をまるっと抱えて移住した理由
仕事のデキない人ほどこの髪形をしている…相手から全く信頼されない「ビジネスで一発アウト」ヘアスタイル3選