複雑なタスクを自動化できる「エージェントAI」の利用が進んでいる。一橋大学名誉教授の野口悠紀雄さんは「エージェントAIが計画・実行・検証を繰り返す時代においては、人間の役割は今までとは異なることを自覚すべきだ」という――。(第4回/全5回)
※本稿は、野口悠紀雄『AIは最強の味方で、最悪の敵』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
エージェントAIとは何か
エージェントAIとは、自律的に行動するAIだ。人間の指示を受けて自律的に考え、計画を立て、複数の行動を実行する。
ChatGPTなどの従来型生成AIが「質問に答えるAI」であるのに対して、エージェントAIは、目的を達成するために自律的に行動する。
生成AIに「旅行計画を作ってほしい」と頼むと、計画を書くだけだ。それに対して、エージェントAIは、交通機関やホテルを調べ、条件が整えば予約まで実行できる。
エージェントAIはつぎのサイクルで動く。
①目標設定(何を達成するか)
②計画(どのような手順で進めるか)
③行動(検索・計算・アプリ操作など)
④評価(結果を見てつぎの行動を決める)
エージェントAIがもたらす3つの変化
エージェントAIは、すでにつぎの分野で使われ始めている。
①ソフトウェア開発
②企業業務(市場調査、レポート作成、データ分析)
③医療(画像診断補助、医療データ分析)
④金融(投資分析、リスク管理)
これらが注目されているのは、「AIが作業者になる」からだ。従来、AIは道具だった。しかし、エージェントAIは、デジタル労働者だ。
変化を分野ごとに見れば、つぎのようになる。


