死ぬまでにあと何回、食事ができるか考えてみたことはあるだろうか。放送作家・脚本家の小山薫堂さんは「37歳から雑誌『dancyu』で続けた連載のタイトルは『一食入魂』。その一食一食を大切にしようという思いからだ。人生後半を迎えたいま、ますます一食の重要性が増しているように感じる」という――。(第2回/全5回)

※本稿は、小山薫堂『初老の作法』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

「人生であと何回飯が食えるだろう」

私が雑誌『dancyu』で「一食入魂」という連載を始めたのは、2001年の春のことでした。

連載第1回目で、「人生であと何回飯が食えるんだろう。その一食一食を大切にしよう」という一文を書きました。そこから、「一食入魂」という言葉が思い浮かんだのです。

ただ、当時37歳だった私は、「一食入魂、人生のカウントダウン」と言いながらも、残りの人生を考えるにはまだまだ年齢的に余裕がありました。だから、正直なところ、「いい言葉を見つけたぞ」ぐらいの感じしか持っていませんでした。

それから年を重ねたいま、この「一食入魂」という言葉の重みというものを実感しているところです。

乾杯するカップル
写真=iStock.com/kokouu
※写真はイメージです

「人生100年時代」とはいうものの、初老の域に入って、「人生であと何回飯が食えるのか」は、なかなかリアリティがある問題になってきています。

仮に80歳までは元気で自分の好きなものを食べられると想定したとき、その回数は「1日3食×365日×20年」で2万1900食。この数字を多いと感じるのか、少ないと感じるのかは人それぞれかもしれませんが、大切な食事の場を疎おろそかにするのはもったいないと思うようになりました。

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