予約したのに連絡なく来ない「ノーショー」による飲食業界の被害額は、年間約2000億円ともいわれる。この問題に真っ先に動いたのが予約・顧客管理システムを手がける「TableCheck」だ。飲食業界が抱える悩みにどう対応したのか、代表取締役社長CEOの谷口優氏に取材した――。
「とりあえず予約→キャンセル」に泣く店
飲食店の現場には、こんな「あるある」がある。インフルエンザが流行する季節になると、キャンセルの理由がほぼ「インフルエンザにかかった」になるというのだ。
なぜそうした事態になるのか。それは“とりあえず予約”によるものだ。とりあえず飲食店をいくつか予約し、一番行きたかった店だけ残し、他はキャンセルする。その際、もっとも無難で有効な言い訳として感染性の病名を使う。
他にも、身内の不幸や仕事の都合など、キャンセルの理由はさまざまだ。店舗としては客の言うことを信じるしかなく、やむなくキャンセルを受けつける。キャンセル料を取れない場合も多く、経済的な損失は甚大だ。
ノーショーの被害額は年約2000億円
それでも、キャンセルの連絡をしてくるだけ「まし」だとも言える。経済産業省がオブザーバーを務めた有識者勉強会による報告書(2018年11月)では、ノーショー(無断キャンセル)による飲食業界全体の年間被害額は「約2000億円とも言われている」と記載されている。
飲食店を経営するうえで、ノーショー対策は頭の痛い問題だ。仕込んだ食材は無駄になり、空いている席を他の客に案内することもできない。小規模店ほど一件のダメージは大きく、経営をじわじわと圧迫する。
この構造的な課題に約10年前から向き合い、日本の飲食業界で独自のキャンセル対策を築いたのが、飲食店向け予約・顧客管理システムを手がける「TableCheck」(東京都中央区)代表取締役社長CEOの谷口優氏である。無断キャンセルだけでなくグルメサイトの「送客手数料」についても課題感を持つ谷口氏に、飲食店予約の構造改革について話を聞いた。


