予約は減っても、来店客数と売り上げは増える

ただし、TableCheckを導入している店舗のうち、事前決済を含む「キャンセル対策」を利用している店舗は全体の2〜3割程度に留まる。

「日本の特性として、“お客さん思い”すぎるところがあります。この機能を導入してキャンセル料を取れるようにしましたが、キャンセル料は店舗が設定できるのでまったく取っていないお店もあります。これは伸びしろと捉えています」

谷口氏が自信を持つのは理由がある。谷口氏が紹介したのは、キャンセル率が非常に高かったある焼肉店の事例だ。人気店ゆえに「とりあえず予約してみた」という客が多く、後日キャンセルになるケースが大半だったという。

たとえカード情報を入れることで客数が減っても売り上げは上がると語る谷口氏
撮影=西田香織
たとえカード情報を入れることで客数が減っても売り上げは上がると語る谷口氏

「導入前、例えば100件予約が入って、うち50件キャンセルされて、また20件入って、70組が来店するといった状況でした。本来の予約件数は120件です。TableCheckの導入後、キャンセル料を気にしたお客さまにより予約数が90件に減ったとします。でも、90件予約されたら、ほぼ100%が来店します。そうすると、売り上げとしては70件対90件でTableCheckの方が高くなります。とりあえず予約しようという人が減り、本当に行きたい人だけに予約してもらえることになるので、私はそのほうが良いと考えています」

クレカ登録が“とりあえず予約”を減らす

クレジットカード情報の登録が、無駄な仮予約を減らすフィルターとして機能しているというわけだ。

TableCheckはさらに独自サービスを開拓している。2024年2月に始めた有料優先案内サービス「TableCheck FastPass」(ファストパス)の根底にあるのは、ダイナミックプライシングの考え方だ。

航空券やホテルは需要と供給で価格が変わるのに、飲食店は月曜の閑散期も金曜の満席日も同じ価格でサービスを提供している。

「とある水族館の中にあるレストランは水槽脇のテーブルがとても人気なのですが、予約ができないので前日の夜から並ぶお客さんもいるとのこと。それほどニーズがあるものを無償で提供しているということに疑問を感じました。ファストパスなら1000円しか払いたくないという人は並んでもらえばいいし、2000円でも3000円払ってでも時間を節約したいという人がいるなら、その人から追加の収益を上げられます」