外交が冷え込む裏で、寿司に熱視線
現在、わが国と中国の関係は冷え切った状況にある。そのきっかけは、昨年11月、高市首相が行なった、「台湾有事がわが国の存立危機事態になり得る」との発言だった。それ以降、中国の習近平主席は、わが国に対して強硬な姿勢を続けている。
中国政府は、さまざまな機会で、わが国に対する批判を繰り返してきた。実際、中国のレアアース磁石などの輸出にもかなり制約がかけられており、日本向けの輸出量は前年割れが続いている(8月は前年同月比17%減)。
中国政府の対日強硬姿勢が続く中、実は中国市場でヒットを飛ばしている日本企業が目立ち始めている。その一つが、外食大手ゼンショーホールディングスの「はま寿司」だ。
はま寿司は、政府の対日強硬スタンスに反して、中国の消費者の間でかなり人気を集めている。習近平政権の対日感情と、国民の感覚は若干違っているのかもしれない。
14億人を抱える中国市場の魅力
日本企業にとって、現在の中国は、製造や調達の拠点よりも、一大消費市場として重要性が高まっている。わが国が人口減少と少子高齢化の加速で、個人消費の伸びに多くを期待できない状況下、中国は消費市場としては伸びを期待できるマーケットになり得る。日本企業にとって、中国市場で、いかに消費者の心をつかむかが重要な課題になりつつある。
“はま寿司”以外にも、中国の消費者の価値観に合ったマーケティング戦略で需要を取り込んでいる企業はある。対中国の感情論を排して、中国の消費者需要を考えることは、今後のわが国の企業にとって大切な戦略になるだろう。

