なぜ、音声データが外部に流出したか
こうして経緯を振り返ってみると、この音声データが外部に流出した経緯には、非常に気味が悪い、不自然なものが付きまとっていることに気づく。
前述の通り、懇親会は側近中の側近しか集まっていないクローズドな会合だった。つまり、その密室空間において、誰かが簗氏の発言を密かに録音していたことになる。
少なくとも、会合の出席者か音声にアクセスできる人物が録音・流出に関与した可能性がある。録音した人物や、音声が週刊誌に渡った経緯は明らかになっていない。地元では、さまざまな憶測が飛び交っているが、真相は不明だ。
実際のところ、身内に背中を撃たれた簗氏を「哀れだ」と同情する声も地元にはある。当日その会合に出席した関係者に話を聞くと、簗氏はわざわざ「これは決して一般の有権者の前では言えない話だが」と前置きをした上で語っていたという。
絶対に外には漏れない「身内だけの場」という安心感が、あのような脇の甘い発言を誘発してしまった側面は否めない。
高市旋風の中で敗北
さらに時計の針を少し巻き戻して、今年2月に行われた衆院選の結果を見てみると、事態の異常さがよりはっきりと浮き彫りになる。
実は、簗氏はこの選挙において、自身の選挙区である栃木3区で敗北を喫し、比例復活で辛うじて議席を確保するという憂き目に遭っているのだ。
今年2月の衆院選といえば、自民党にとって「高市旋風」が吹き荒れた追い風の選挙であった。これまで比例復活でなんとか議員バッジをつけていたような候補者でさえ、次々と選挙区での勝利を決めた経緯がある。だが、簗氏は敗れたのだ。

