「局所的」な気候変動や災害が多発
地球温暖化の影響による気候変動は、暑さの厳しさや寒さの緩和、それによる生態系への影響(植生や動物や魚類などの分布変化)、また熱中症などの被害は全国的で、かつ比較的緩やかな徐々の変化が特徴であるが、一方、台風の増加や降水量の増加などとして表れる気象変動やその被害はある時期のある場所に集中する傾向がある。
テレビの報道等はその違いをうまく伝えられないので注意する必要がある。目を引く動画の繰り返しとともに報じられる大雨の異常気象やがけ崩れや水没といった災害は当然我々の目を引きつけるが、それが特定地域の局所的な気候変動や災害だという点が理解されず、過当な不安を国民に与えることになりかねない。
こうした気候変動の影響に対して、日本人を含め各国の国民がどのように考えているかを次に見てみよう。
気候変動対策に対して諦めの境地の日本人
温暖化や気候変動による異常気象が大きく報じられる中、それへの対策を講じなければという意識は、実は、世界的に低下しつつある。
この点を示すイプソスの国際調査の結果を示した(図表5)。
設問は「私のような個人が、今すぐ気候変動に対処する行動を取らなければ、次世代の期待を裏切ることになる」に同意するかどうかであるが、主要国で同意率の推移を追ってみると、全体に低下傾向が認められる。
図に取り上げた主要国について2026年の意識の高い順に並べると以下であり、日本は最も低意識となっている。
イタリア(62%)
英国(60%)
韓国(56%)
米国(55%)
カナダ(55%)
ドイツ(49%)
日本(35%)
しかも、2021年から5年からの低下幅も日本はマイナス24%ポイントと最大となっている。ドイツも日本ほどではないが、日本に次いで意識が低く、意識の低下幅も日本に次いで大きい。
すべての国で意識が低下しており、世界中で行動を起こすべきという責任感・危機感が薄れつつあることが分かる。
日本の意識の低さは諦めの境地だからだということが同調査の別設問の結果から分かる。図表6を見れば気候変動は制御範囲外だと最近になって諦めてしまう人が、ある意味諦めの悪い欧米諸国と比較して日本の場合多くなってきている点が目立っている。
なぜ、日本人は諦めの境地におちいる人が多いのであろうか。
気候変動に対しては世界的な協調行動が重要であることはいうまでもないが、先進国と途上国との対立、あるいは近年目立つ米国から世界に広がりつつある自国第一主義の蔓延により、うまくいっていない。協調主義を国是とする日本人の場合、それへの失望感が他国より強いのであろうか。
それとも、どうしようもない自然の猛威に対して、諦観の観念を抱き、あまり思い悩まないようにしようとしてきた歴史的に形成された国民性の表れなのだろうか。
このところの猛暑や大雨、それによる災害を考えるとき、日本人の場合、こうした消極性を打破する何らかの仕切り直しが必要であろう。
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