図表3には、気象庁が作成した6~8月、および9月の全国の降水量の分布図である。大雨か少雨かが平年比で示されている。
台風の影響が大きい太平洋岸、特に関東を中心に東日本の太平洋岸で大雨の地域が多かった点が目立っている。一方、西日本の日本海側や北海道では少雨、干ばつの地域が並存していたことをご存じだろうか。
大雨の地域だけでなく、“干ばつ”の地域も
図表4には、大雨と少雨の目立った地点の累積降水量の推移を示した。
千葉、東京、水戸(茨城県)で特に9月に降水量が非常に多かった点が明解であるが、その一方で、九州の佐賀、長崎、熊本、鹿児島では少雨が続き、しかもそれは、干ばつといってもよい状況であることが分かる。
福岡管区気象台は9月下旬、7月1日から9月23日までの降水量が、福岡で412.0ミリ(平年比65%)、佐賀394.0ミリ(同52%)、243.0ミリ(平年比37%)、熊本285.5ミリ(同39%)だったと発表し、今後1カ月程度も少雨の状態が解消する可能性は低く、農作物や水の管理などに注意するよう呼びかけている。
福岡県の主要21ダムの平均貯水率は50.0%(10月5日午前9時現在)と、水事情は極めて厳しい状況で、「とにかく雨が降ってほしい」という住民の声が大きい。
6~8月、および9月の降水量について、気象庁は気象概要で次のように述べている。9月は東日本の太平洋側で過去最多の多雨となった点が指摘されている。
【6~8月】
降水量は、低気圧や前線の影響を受けにくかった東・西日本日本海側で少なかった。一方、東日本太平洋側では、6月は梅雨前線や台風第6号、第7号と第8号の影響を受けたほか、8月は台風第15号の影響を受け、さらに「令和8年8月千葉豪雨」が発生したため、かなり多かった
【9月】
上旬は台風第24号や湿った空気の影響で秋雨前線が活発化し、東海地方などで線状降水帯が発生し、記録的な大雨となった所があった。さらに下旬は台風第25号の影響で関東甲信地方を中心に記録的な大雨となった所があったほか、下旬後半は台風第26号の影響もあり東・西日本を中心に曇りや雨の日が続いた。このため、月降水量は東日本太平洋側でかなり多く、東日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。東日本太平洋側では、月降水量平年比が236%となり、1946年の統計開始以降、9月として1位の多雨となった
温暖化の影響は暑さだけでなく、大雨も
こうした暑さや大雨の異常気象と呼ぶしかない状況には、基本的に地球温暖化が大きく影響している。
全国的な猛暑日の増加が温暖化の影響である点はストレートな影響なので理解しやすい。
一方、大雨も温暖化の影響である。温暖化で海洋の海面温度が上昇し、多くの水蒸気が大気中に含まれるようになるが、それがそのまま海で雨となって地上に降り注ぐだけでなく、大きな風の動きや台風などによって陸地部にも移動し降水として降り注ぐことになる。
降水のかたちは梅雨、台風、前線、線状降水帯とさまざまであり、冬場の季節風がユーラシア大陸から吹き出し日本海を通る間に水分を含み、その風が日本列島にぶつかり、大雪となって降る場合もある。すなわち夏の暑さと異なり、降水量の場合は、温暖化の影響は局所性や局時性が著しいのが特徴となる。上で触れたこの9月の大雨地域と少雨地域の並存もその表れである。


