スピードの変化による学習効果への影響
2021年に、UCLAで動画の早送りの速度を変えてどれくらい学習効果に影響するかという実験が行われました。
大学の講義の動画をいろいろな速度で視聴してもらい、内容の理解度をテストするという実験で、2倍速までは学習効果が変わらないものの、それ以上の速度では理解度が低下する結果が得られたのです。
ただし、この実験はそれほど難しくない講義の動画を使っていました。
内容がより難しかったり、話者の話すスピードが速かったりした場合には、異なる結果が得られる可能性もあり、すべての倍速視聴に当てはまるとは限りません。また、年齢による差がある可能性も報告されています。
ちなみに、私がニュース番組をポッドキャストで聴取するときは、1.5倍速が最適な速度だと思っています。
倍速視聴では、「記憶保持」「応用思考」「問題解決」などの機能は低下しやすい傾向があり、細かい内容や複雑な構成を理解するには不向きです。
例えばサスペンス映画を倍速視聴することをイメージしてみてください。
人間関係やストーリーが複雑なサスペンス映画では、次から次に起こる事件のつながりや理由が把握できなくなってしまうので、終盤に犯人が明かされても、おそらく「?」となってしまうと思います。
同じように、細かい数字や複雑な説明が含まれる場合、倍速視聴では把握することが難しくなります。
語学学習の適切な速度
これらをふまえると、動画を視聴するときは次のような流れがおすすめです。
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重要な部分は速度を落としたり、複数回視聴して確認
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復習するときはすでに情報がインプットされているため、1.5速程度で視聴(難しい内容では復習でも等速か低速がおすすめ)
なお、語学学習など、細かい聞き取りが必要な場合は0.75倍速程度に速度を落とすのがおすすめです。
未知の単語や複雑な論理が含まれる場合、脳は「意味の解析」に全力投球します。すると直後に流れてくる情報の保持が追いつかなくなってしまうため、0.75倍程度にすることで情報処理の余裕を作ることができるからです。
速度を落とすと、子音の破裂音や母音の微妙な変化、単語間のつながり(リエゾン)など、高速では無視されがちな「微細な音声特徴」を脳が正確にキャッチできるようになるため、語学学習に向いています。
脳は、次に何が来るかを予測しながら活動する性質があります。速度を落とすことで予測する余裕も生まれます。

