AIをよく使う人ほど依存度が高い
パーソル総合研究所の調査は、生成AIの利用頻度別に「AIへの依存状態」を尋ねている。結果は、グラフのとおりである(図表1)。すべての項目で、使う人ほど依存度が強くなっている。
「迷うとき、自分で決めるよりAIの方向に従うほうが楽だ」「仕事の課題を、自分で考える前にまずAIに聞くことが多い」といった項目が、ヘビーユーザーが顕著に高く、3割弱に跳ね上がる。「AIで考えた内容を自分の考えとして整理しきれないことがある」も23.5%となり、自分が考えたのか、AIが考えたのか、その境界が判然としない状態である。
なお、最も高い数値がついたのは「人よりAIに話すほうが気楽に感じることがある」の31.6%だった。ヘビーユーザーの約3人に1人が該当する。AI依存は認知だけでなく、対人関係の側にも及んでいる。
こうしたAI依存のヘビーユーザーへの偏りを見ると、AIが普及すればするほど一気に加速することは容易に想像できる。おそらく、1年後、2年後に再調査すれば、これらの数字はすべて高まっているだろう。
明らかになってきた実態
こうしたAI依存による能力やスキル・思考への副作用は、ただの不安ではなく現実のものとして様々な角度から研究されつつある。
今わかってきていることを筆者なりに整理すると、AIによるアンチ・スキリングの様相は以下の五つの異なる事態(図表2)が同時に進行している(※1)。順に見ていきたい。
※1 五類型の整理は Berzin, T. M. & Topol, E. J. (2025) “Preserving clinical skills in the age of AI assistance,” The Lancet, Vol.406, Issue 10513, p.1719 を参考に、筆者が加筆・再構成した。


