せっかく住宅を買うなら、資産価値が上がる町を選びたいもの。過去10年のデータと、今後の都市開発計画から、「これから値上がりする町」を予想する。

都心部の価値は上がる一方

首都圏で値上がりする、値下がりしにくい町のランキング上位を占めている町は、「都心」「再開発エリア」「ブランド力のある地域」に大別できる。

都心は東京でいえば千代田区、港区、中央区、新宿区、渋谷区など。埼玉県ではさいたま市浦和区、大宮区、神奈川県では横浜市中区などが挙がっているが、千葉県だけは千葉市ではなく、お屋敷街としてブランド力のある市川市が上位にきている。

ブランド力という意味では、より都心の港区を抑えて3位に入った文京区や、都心からはやや距離のある国立市が好例だ。

このうち、東京の都心部では現状で価値が高いだけでなく、今後も再開発、新線計画などがあり、価値がさらに上がることはあっても、下がることはまずなさそうだ。

たとえば、渋谷区では東急東横線地下化の後、東急グループやJR東日本などが2027年度までに駅跡地や周辺に大型複合ビル5棟を建設する予定がある。10年もすれば渋谷駅周辺はまったく違う町になっているはずなのだ。この変化は当然価格に反映され、隣接する目黒区に及ぶ可能性も高い。

また、JRから公式な発表はないものの、山手線の品川、田町間に新設される新駅は港区内。駅新設に伴い、広大な品川車両基地のかなりの部分が不要になり、そのうち15ヘクタールほどが大規模都市開発に充てられる計画とのこと。新駅・開発の完成は20年度中とかなり先ではあるが、実現すると既存の品川港南口の再開発全体の2倍近い広さの新しい町が生まれることになる。

港区ではこれ以外にも虎ノ門~新橋間に建設中の環状二号線プロジェクトや浜松町、神谷町から赤坂、六本木にかけてのエリアで複数の再開発計画が進行しており、今後も人口、事業所の集積は続く。