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交通の利便性アップにより、値上がりが期待できるエリア

東武東上線沿線では東京都板橋区、埼玉県和光市、朝霞市、新座市、志木市、富士見市、ふじみ野市、川越市、鶴ヶ島市などがあるが、こちらは川越市あたりまでだろう。なかでも上位30位には漏れたが、リセールバリューが91.3%と高く、複数路線が利用できる朝霞市、文教地区のイメージのある志木市などが有利と思われる。

東急東横線では、さらに19年4月に相鉄線との相互乗り入れの予定もある。これはJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近と東急東横線日吉駅間に連絡線を新設、相鉄線西谷駅とJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近間に連絡線を新設することで、相鉄線と東急線が相互直通運転を行うというもの。横浜市西部および神奈川県央部と東京都心部とが直結されることになり、横浜市保土ヶ谷区、旭区、瀬谷区から海老名市にかけての相鉄線沿線エリアの利便性は大いに向上する。

これ以外に交通利便性アップが期待できるエリアとしては、「高崎線・常磐線などの東京駅、さらにはそれ以遠の新橋、品川などへの延伸により、首都圏の東部と西部がつながります。これで恩恵を受けそうな地域としては千葉県柏市、松戸市、さいたま市大宮区とそれ以遠の上尾市などが想定できます」(中山氏)。

首都圏でもう一つ気になるのは首都圏の東側、いわゆる下町エリアだ。東京都墨田区や台東区などは上位に入っており、東京スカイツリーも予想以上の人を集めている。その波及効果はどこまで出ているのだろう。

「現在のところ賃料にはさほどの動きは見られません。商業地としての活性化が今後のポイントになりますが、物販店やホテルなどの店舗の賃料は多少上がっているものの、指標となるオフィスの賃料にまでは波及効果は見られていないのです」