※本稿は、河田真誠『質問の魔力「よい質問」がすべてを解決する』(アスコム)の一部を再編集したものです。
言語化力や共感力よりも、質問力
コミュニケーション力が必要ということに、異論を唱える人はほとんどいないと思います。
コミュニケーション力の重要性が叫ばれる理由は多様性の時代だからです。仕事の現場では同じチームメンバーでも多様な価値観を尊重する必要があります。顧客も多様な価値観をもっています。他者とすり合わせしながら進めていくためにも、コミュニケーション力が必要です。
コミュニケーション力の要素として「言語化力」「共感力」などのキーワードも注目されています。これらのキーワードももちろん大切なのですが、僕がより大切だと思うのはコミュニケーションにおける「質問力」です。
「言語化力の前に、質問力がある」僕はそう思います。理由は言語化力と質問力には以下のような違いがあるからです。
言語化力
自分の考えの解像度を上げる行為。結果、解像度が上がることで相手に伝わりやすくなる。
質問力
曖昧なものの解像度を上げる行為そのものが質問力。質問力がないと、言語化力はつかない。
言語化力のベースにあるのは、「自分の言いたいことを伝える」という視点です。一方で質問力のベースにあるのは「相手の考えを明確にして、自分と相手の考えを調整していく」という視点です。
「自分に質問してくれる人」は好感度が高い
トップダウン型など一方通行のコミュニケーションが通用していた時代であれば言語化力があることがより大切でした。でも今は双方向コミュニケーションの時代です。言いたいことをただ伝えるという時代は終わりました。双方向のコミュニケーションをとりながら、お互いの合意を形成していく。多様な考えがある中で「合意形成」をしていくスキルが求められています。だからこそ、質問力ファーストなのです。
言語化力「自分の考えを整理して伝える力」
質問力「相手の考えを引き出し、共に整理する力」
質問力があれば、聞く力も高まります。聞くことで、相手にとっては「自分への興味がある」ということにつながります。それがコミュニケーションの円滑化になっていきます。想像してみてください。話がうまい人は、確かに魅力的に見えます。でも、話がうまいばかりで、自分の話ばかりする人はどんな印象でしょうか? おもしろいけれど、コミュニケーションがとれている感じはしないですよね。
それよりも、相手に質問を投げかけてくれる人のほうが、好感度が高くなるんじゃないでしょうか。優秀なセールスパーソンにも、優秀なコンサルタントにも、質問上手な人が多いと言われますが、相手の視点に立てば、それは納得感のあることだと思います。
では、営業成績トップの人はどんな質問をしているのでしょうか。一緒に考えていきましょう。

