「何かお困りごとはありますか」は×

× 何かお困りごとはありますか?
○ どんなことに時間や労力を取られていますか?
○ それが解決できたら(短縮できたら、少なくできたら)いいと思いませんか?

これまで数多くの営業職の人の相談にのってきました。相談内容はほぼ「どうしたら売れるのか?」についてです。

多くの営業職の人と話してわかったことがあります。それは、売れない営業と売れる営業を分ける質問があるということです。

売れない営業の人がよく使っている質問、それが「何かお困りごとはありますか?」でした。一見するとお客さんのことを考えた適切な言葉のように思えます。でも、「何かお困りごとはありませんか」には大きな弱点があります。それは、「ありません」と答えられてしまう可能性があることです。

営業の人から「何かお困りごとはありませんか?」と聞かれたら、たいていの相手は「この人は自分に何かを売り込もうとしているな」と警戒します。なので「ありません」と答えられ、会話がそこで終了してしまう聞き方はNGなのです。

また、相手が困りごとだと認識していないこともあります。そんなものだと思っているなど、困りごと認識をしていない場合も、この質問では回答が得られません。

困るごとへの提案をする営業マン
写真=iStock.com/kazuma seki
「どんなことに時間や労力を取られているか?」が正解。この質問で、本人が気づいていなかった「悩み」がわかる。※写真はイメージです

「どんなことに時間や労力を取られていますか」が○

もし明確な困りごとがあったとしても、すでに対処してしまっていることもあります。

例えば、体のどこかに強い痛みを感じればすぐに病院に行くでしょう。そこまでひどくない痛みであれば市販の薬を買うかもしれません。つまり「どこか痛いところはないですか?」という質問をした場合、あればすでに対処しているし、なければ「ありません」と回答されてしまいます。

では、成績のよい営業はお客さんに対してどんな質問をしているのでしょうか。それがこの質問です。

「どんなことに時間や労力を取られていますか?」

そして、その回答を得たら、続けてこう質問します。

「それが解決できたら(短縮できたら、少なくできたら)いいと思いませんか?」

この質問のよいところは、イエスノーでの回答ではなく、何かしらの回答が得られるところです。また、相手が困りごとだと認識していないことでも「あ、これは困りごとだったんだ」と認識できる点も魅力です。

さきほどの痛みを聞く場合であれば、「どんなことに時間や労力を取られていますか?」という質問に対して、「買い物に行くのがすごく億劫なんです。買い物に時間がかかっています」という回答があれば、その裏には病院に行くほどではないかもしれないひざの痛みがあるかもしれません。