よい会議と悪い会議は、何が違うのか。経営コンサルタントの河田真誠さんは「よい会議を決めるのは、人数や時間の長さではない。場を仕切る上司の質問の中身や、締めの言葉が違う。それらが参加者のやる気を大きく左右する」という――。(第1回)

※本稿は、河田真誠『質問の魔力「よい質問」がすべてを解決する』(アスコム)の一部を再編集したものです。

会議で話し合うビジネスグループ
写真=iStock.com/Morakot Kawinchan
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「みんなの意見を聞かせて」が会議を迷走させる

会議が終わった後、こんなことを思った経験はないでしょうか。

「結局、何も決まらなかったな……」

会議にはたっぷり1時間を使った。参加者からも、それなりに発言はあった。それなのに、仕事が前に進んだ感じがしない。こうした会議が続くと、上司は「最近の若手は積極性がない」「もっと自分の意見を持ってほしい」と考えがちです。

しかし、会議が停滞する原因は、若手の意欲でも、参加者の意見不足でもありません。多くの場合、会議を迷走させている原因は、上司が最初に投げかける「質問」にあるのです。

ある会社の会議で、部長がメンバーにこう問いかけました。

「最近、売上が苦戦している。どこに問題があるか、みんなの意見を聞かせてほしい」

一見すると、部下の意見を尊重する、開かれた質問に見えます。しかし、この質問を投げかけた瞬間、会議の迷走はすでに始まっています。なぜなら、質問の範囲が大きすぎて、どうとでも答えられてしまうからです。

締めくくりに「各自でもう少し考えて」は×

質問された側は、頭の中で迷います。

「売上の話ということは、営業方法について答えればいいのか」
「商品の魅力が足りないという話だろうか」
「価格やマーケティング戦略の問題かもしれない」

考える対象が明確になっていないため、参加者はそれぞれ別の論点について話し始めます。ある人は「営業のやり方が問題だ」と言い、別の人は「商品力が弱い」と主張する。さらに別の人は「価格が高い」と指摘する。発言だけを見れば、活発な会議に見えるかもしれません。

しかし、実際に起きているのは、論点の異なる発言の応酬です。話があちこちに広がり、議論が深まらないため、当然ながら明確な結論も出ません。そして最後は、部長のこんな言葉で締めくくられます。

「いろいろ意見が出たので、各自でもう少し考えておいてください」

これでは、何のために全員が集まったのかわかりません。

ここで厄介なのは、上司自身は「自由に意見を出してもらおう」と、よかれと思って質問しているケースが多いことです。質問の範囲を広くすれば、多様なアイデアが出てくると思っている。しかし実際には、選択肢が多すぎるほど、人は「何から考えればいいのか」がわからなくなります。つまり、自由に答えられる質問が、必ずしも答えやすい質問とは限らないのです。