“誰が、どう決めるか”を明確にしておく
意見が出ているのに結論が出ないのは、意思決定の方法が決まっていないからです。組織上は部長に決定権があっても、本人が決定者としての自覚を持っていなければ、会議は「会議のための会議」になります。
アイデアを出すだけ出して、その後どうするかを曖昧にしておくと、参加者の意欲は下がります。そこで、話し合いを始める前に、次の二つを確認しておく必要があります。
「この会議では、どうやって結論を決めるのか」
「最終的に、誰が決めるのか」
部長が決めるのか、担当者が提案して役員が承認するのか。複数の案を一定期間試し、その結果をもとに決めるのか。決め方が明確であれば、参加者は「何のために意見を出すのか」を理解できます。
さらに、「何をもってよい案とするのか」という判断基準も、あらかじめ言葉にしておくことが重要です。
たとえば、「3カ月以内に実行できるか」「既存顧客のリピート率向上につながるか」「短期的な売上ではなく、来期以降の成長につながるか」といった基準です。
基準が決まっていれば、アイデアを出す側も、その条件を意識して考えられます。
多数決に頼らず、責任を取る人を決める
意思決定の方法として、安易に多数決を選ぶことにも注意が必要です。
多数決は公平に見えますが、最も優れた案が選ばれるとは限りません。多くの人は、前例のない案やリスクのある案よりも、これまでと大きく変わらない無難な案を選びやすいからです。
特に変化の激しい時代には、「まだ誰もやっていない」という理由だけで案を退けることは、大きな機会損失になりかねません。
必要なのは、「うまくいくかどうかは、やってみなければわからない。私が責任を取るから、この案を試してみよう」と言える決定者です。
会議では、全員が納得するまで話し合えばよいわけではありません。意見を集めたうえで、誰かが責任を持って決断する必要があります。
会議で発言が出ない。意見は出るのに、何も決まらない。決まったとしても、実行されない。そんなとき、「参加者の意識が低い」と結論づけるのは簡単です。しかし、その前に上司は自分自身に問いかける必要があります。
「何について考える会議なのかを、明確に示しているか」
「質問の範囲が広すぎないか」
「誰が、どの基準で決めるのかを決めているか」
部下に意見を求めるだけでは、会議は前に進みません。よい会議は、参加者の人数でも、会議時間の長さでもありません。最初に投げかける「よい質問」と、最後に責任を持って決める人の存在なのです。


