順位が「逆転する」結果に

例えば「米原直通ルート」では、次のようになる。

既設区間建設投資額:10兆6500億円
新設区間建設投資額:1兆1300億円
維持改良費:2兆4700億円
=費用計:14兆2500億円

便益:19兆9400億円
→B/C(費用対効果):1.40

「小浜・桂川ルート」より圧倒的に有利な結果となるのだ。その他のルートを含む全ルートの比較は以下の通りとなった(丸数字は順位)。

① 米原乗換ルート:1.44
② 米原直通ルート:1.40
③ 湖西新設ルート:1.33
④ 湖西改軌ルート:1.29
⑤ 小浜・亀岡ルート:1.28
⑥ 小浜・舞鶴・亀岡ルート:1.24
⑦ 小浜・舞鶴・京都ルート:1.18
⑧ 小浜・桂川ルート:1.09(参考:便益の基準年を7年先送りにした場合「1.41」)
⑨ 小浜・京都ルート:1.08(参考:便益の基準年を7年先送りにした場合「1.44」)

※①~⑦は従来通り、基準年を7年先送りにした便益額を基に算出。
※⑧⑨は従来通り、2025年基準の便益額を基に算出。
※各ルートとも基準年を7年先送りにした便益額に物価上昇率は反映していない。

小浜ルートはともに「最下位クラス」

維新が推していた「米原ルート」が最上位クラスで、最終的に絞り込まれた「小浜・桂川ルート」と、次点の「小浜・京都ルート」はともに最下位クラスになるのだ。仮に「小浜・京都」「小浜・桂川ルート」ともに、他のルート同様、便益の基準年を7年先送りにした場合でも、「米原ルート」に対して明確に優位性を主張できるほどの差は見られない。

「湖西ルート」は活断層や風の問題があるので置いておくとして、「小浜・亀岡ルート」もなかなかいい数値といえる。京都や米原が難しくても、せめて亀岡にしておくべきだったのではないだろうか。

「小浜・亀岡ルート」は、京都府亀岡市がJR西日本の株主総会でプッシュしていたが、京都へのアクセスになる嵯峨野線のダイヤ逼迫を理由にJR西日本が反対している。

もっとも、本当にダイヤが逼迫しているのは京都駅手前のほんの数百メートルの単線区間だけで、改良にかかる費用は大した額ではない。その上、京丹波地域の大阪通勤圏への仲間入りや、亀岡駅を山陰新幹線の起点にもできるなど、京都府にとって多様なメリットがある。もう少し評価されてもよかったのではないだろうか。