兵庫県高砂市の山陽電鉄高砂駅近くにある「サンモール高砂」は、いま廃墟のような姿をさらしている。かつては地元の商店街を圧倒し、隣の姫路市の集客力を低下させたと指摘されるほどの存在だった。ところが現在、周辺の商店街にはシャッターが目立ち、サンモール自身も核テナントの西友撤退から2年後に閉館した。商店街を飲み込むほど繁栄した駅前モールに、いったい何が起きたのか。ライターの坪川うたさんがリポートする――。(後編)

2017年末に閉館、更地に計画はない

開くことのないシャッター。むき出しのまま、ガランとした空き区画。撤退したテナントに散乱する備品。買い物や食事を楽しむ人が少なく、ショッピングモールとしての賑わいが感じられない。

本連載における廃墟モールは上記のとおりであるが、この状態を通り越して本来の意味での“廃墟”になっているモールが存在する。兵庫県高砂市の山陽電鉄高砂駅近くにあるサンモール高砂だ。

廃墟となっているサンモール高砂。外壁の劣化が目立つ
筆者撮影
廃墟となっているサンモール高砂。外壁の劣化が目立つ

サンモール高砂では、核テナントの西友が赤字を垂れ流したすえ、2015(平成27)年末に閉店。後継店舗が決まらず、耐震性の問題も重なり、サンモール高砂は2017年12月に閉館した。

東館と南館は解体されたが、跡地は更地のまま活用されておらず、上層階がマンションである西館はそのまま残っている。高砂市は所有者へ早期整備を度々要請しているものの、閉館から約9年が経つ今もなお具体的な計画は明らかになっていない。

上層階がマンションの西館は現存する。手前の更地は南館の跡地
筆者撮影
上層階がマンションの西館は現存する。手前の更地は南館の跡地

一方、隣接するアルカドラッグには車利用者を中心とした買い物客の姿が見られる。このことから、日常利用の店舗は成り立つが、休日にショッピングをするようなモールはもはや成立しなくなってしまった、すなわち高砂駅周辺では商圏が縮まったのではないかと分析できる。

サンモール高砂のすぐ隣にあるアルカドラッグ。クリニックも併設されている
筆者撮影
サンモール高砂のすぐ隣にあるアルカドラッグ。クリニックも併設されている