土曜日の朝、トルコ料理を家族と一緒に食べる理由
私はトルコで生まれ育ちました。トルコの朝食は豪華です。メネメン(卵料理)、スジュク(サラミソーセージ)、パストゥルマ(生ハム)、オリーブ、チーズ、トマト、キュウリ、バター、ジャム、はちみつ、サワークリームなど20種類以上の小皿がずらりと並び、バケットやシミット(胡麻をまぶしたパン)に載せていただくのです。
「カフヴァルトゥジュ」という朝食専門のレストランも、トルコならではの文化です。私たちは毎週末、家族や親戚、時には友達家族まで20人以上でお気に入りの店に集まり、昼過ぎまで朝食を楽しんだりもしました。私は日本の朝ごはんも大好きですが、トルコの味と家族の思い出が詰まった朝食には、特別な郷愁を感じます。
そして、トルコの朝食に欠かせないもう一つの楽しみが紅茶(チャイ)です。紅茶は単なる飲み物ではなく、人々の会話を彩る大切な存在です。それぞれの家庭で茶葉をブレンドし「わが家の味」をつくるのが一般的で、淹れ方にもこだわりがあります。2段式の「チャイダンルック」は、下のポットでお湯を沸かし、上のポットで茶葉を蒸らす構造になっており、しっかりと蒸らすことで紅茶の深みが引き出されます。
15分ほど茶葉を蒸らした後、下のポットのお湯を注ぎ、鮮やかな深紅のお茶を抽出します。それを口が少し広がって中央がくびれた、チューリップ型の小ぶりなグラスに注ぐのです。角砂糖を入れる人もいますが、私はストレートが好み。小ぶりなグラスだからこそ、気づけば朝だけで5〜6杯は飲んでしまうのです。
今は仕事が忙しく、平日の朝はだいたいコーヒー1杯とクロワッサンをかじるだけで家を出ます。出張も多く、帰宅が深夜に及ぶこともしばしば。それでも12歳の長男と8歳の次男と過ごす時間は、私にとってかけがえのないもの。だからこそ、土曜の朝だけは特別な時間を取って、トルコの朝食を囲みながら一家団らんのひとときを大切にしています。
父親は忙しくて毎日は会えないけれど、土曜日の朝だけはキッチンでメネメンを焼いたり、トマトを切ったりして朝食の準備をしている――そんな光景が、これから先もずっと子どもたちの心に残り続けてほしいと思っています。
保守的な農機メーカーで海外売上を2倍にする方法
私が社長に就任して掲げたのは「海外売上を5年で2倍にする」という挑戦的な目標でした。当社は12カ国に現地法人を持ち、アフリカや南米にもディストリビューターがいます。しかし、グローバル市場での「YANMAR」は、農業機械のブランドとしてそれほど知られた存在ではありません。喫緊の課題として、ブランド力を高めることが不可欠です。
これまでは日本から製品や人材を供給し、一定の成果を上げてきましたが、農業機械は使う人や地域、育てる作物によって求められるものが異なります。柔軟な設計開発と迅速な供給を実現するために、今後は現地での生産と人員強化を推進し、地域ごとのニーズに応じた生産・販売体制を築いて競争力を高めていきます。
グループの中でもヤンマーアグリは保守的な会社で、農機業界一筋で、長年にわたり技術と経験を積み重ねてきたプロフェッショナルが多くいます。彼らの技術力を誇りに思う一方で、これまでのやり方を大胆に変えてスピーディに展開していくことには、苦手意識を感じる部分もあります。
私自身はこれまでのキャリアで、さまざまな国で新しい事業に挑戦することばかりでした。私たちがそれぞれの強みを活かせれば、素晴らしいシナジーが生まれるはずです。そのためには、垣根を越えた自由な話し合いが欠かせません。
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