古くより、人は癒やしを求めて温泉へ赴く。しかし、時代とともに人は「湯治」以外の魅力も街に求めるようになった。新たなニーズを摑むまでの温泉街の奮闘を、温泉エッセイストの山崎まゆみ氏が綴る――。

今年の冬も冷え込み、温泉であったまりたい季節になった。

「にっぽんの温泉100選」(観光経済新聞社主催)で22年連続1位を誇る草津温泉は、湯畑という圧倒的な存在をもって王者の風格を漂わせる。毎年、湯畑まわりを改修し進化する草津町の努力もあるが、温泉資源だけで集客し続けることは難しい。

草津の地の利は悪い。