「自分の身近にもいそうな、きれいな人」が一番効く

ハニートラップは、確かに今も有効な手段の1つです。ただし、多くの人が思っているほど、それが常に主流というわけではありません。

愛人
写真=iStock.com/Motortion
絶世の美女は近づいてこない。「ストライクゾーン」に入る人があてがわれるという。「自分の身近にもいそうな、きれいな人」に注意が必要。(画像はイメージです)

あくまで、相手が異性に強い関心を持っている、あるいは遊び好きであることがわかっていて、その弱点を使えば情報が取れると判断した場合に使う手段です。スパイ活動全体の中では、数ある手法の1つに過ぎません。

しかも、ハニートラップというと、誰もが絶世の美女や映画のような派手な場面を想像しますが、実際にはそうではありません。

むしろ、あまりに現実離れした美女のほうが、相手に警戒されて失敗することが多い。常識的に考えて、自分に突然、元プロテニス選手のシャラポワのような美女が近づいてきたら、「これは何かある」と思うに決まっています。ぼったくりか、美人局か、何か裏があるのではないかと警戒するのが自然です。

現実のハニートラップはもっと地味です。その人の「ストライクゾーン」に入る人をあてがうのです。

派手すぎず、しかし魅力的で、しかも手が届きそうな距離感にいる。絶世の美女ではなく、「自分の身近にもいそうな、きれいな人」。これが一番効く。

“好み”にあわせた最適化

中国は、日本に住んでいる、あるいは過去に日本にいた中国人の膨大なデータベースを持っているとされます。その中には、日本語が堪能で、日本人の好みや会話のツボを理解している人材もいる。相手の好みに合った人物をハニートラップ要員として連れてくることも理論上は可能です。

つまり、誰にでも同じ女性をあてがうのではなく、その人の好みに合わせて最適化してくるのです。

ロシアが日本に対してハニートラップをあまり活発にやらないとされるのも、そこに理由があります。

基本的にロシア人は白人が多いので、日本では目立ちすぎる。しかし、中国や北朝鮮のように外見が日本人に近い場合は、そこに自然に入り込みやすい。

逆にロシアは、ヨーロッパなどではハニートラップをやっています。要するに、その国、その相手に合った形でやり方を変えているということです。