約9万人の署名、市長のNHK訪問…盛り上がる誘致活動
要するに岡山は、古代から中央にやられ続けてきた土地なのだ。直家もまた、勝者の歴史に500年間消され続けた男だった。その怒りが、ドラマ化を求める約9万人の署名に、誘致に向けた岡山城活用のための1億7400万円の予算に、市長のNHK乗り込み(訪問)に結晶している。
山陽新聞の報道によれば、2024年12月には大森雅夫岡山市長らが東京・渋谷のNHK放送センターを訪れ、藤澤浩一コンテンツ制作局長と直接面会。要望書を手渡した。その後、大森市長は手応えを語っている。また「戦国宇喜多家を顕彰する会」のチーフアドバイザーには、岡山市出身の歴史学者・磯田道史が就任し、全国的な知名度を持つ顔ぶれで誘致活動を支えている。
(参考:山陽新聞「宇喜多父子題材の大河ドラマを 顕彰する会、NHKに要望」2024年12月25日)
(参考:「宇喜多直家・宇喜多秀家―― | さぁ、大河ドラマ実現へ - 岡山城」)
(参考:読売新聞「岡山市予算案4298億円 新年度10年連続最大 ごみ施設整備など」2026年2月11日)
(参考:岡山市「市長の大盛コラム(第16回)令和8年3月 みんなで呼び込もう! 戦国宇喜多家大河ドラマ実現への道」)
そして実利も見逃せない。大河ドラマになれば、岡山城と後楽園だけでは終わらない。直家が生まれた砥石城跡(瀬戸内市)、最初の居城・乙子城跡(岡山市東区)、次の拠点・亀山城跡(同)、そして岡山城……直家が拠点を移すたびに城下町を一から作り上げた足跡が、そのまま観光ルートになる。秀家が流された八丈島まで含めれば、岡山から東京まで聖地が連なる。造山古墳も楯築遺跡も「吉備の怨念の地」として脚光を浴びる。岡山がいかにスゴい土地であるかの歴史が、全部観光客で埋まる。
“敗北の前史”が終わる
2000年越しの雪辱。今までの岡山の歴史は大都会岡山が真の日本の中心になるための前史みたいなものである。吉備国から宇喜多氏まで、敗北を記憶し続けることで純粋な郷土愛を育んできた岡山の前史は、ようやく終わる。
……実際、現在岡山駅前はバス路線の再編でターミナルをリニューアル。JR駅とは道路を挟んで離れていた路面電車の停留所もJR駅と直結工事が開始されるなど「街が変わっている」感が半端ない。宇喜多氏が大河ドラマとなれば、現在は人口約70万人の岡山市が、昭和以来の悲願である100万都市になることも夢ではない。
直家は天下を取らなかった。しかし岡山という都市として500年間生き続けた。大河ドラマになれば、それはもはや雪辱ではなく、証明である。大河ドラマで目指せ、100万都市‼


