寄り添うことで自己肯定感が育つ
誰かの気持ちに「寄り添う」という行為は、実は、相手だけでなく、自分の心にも良い影響を与えます。たとえば、落ち込んでいる同僚に「それはつらいね」と声をかけたとします。相手が「ありがとう、ちょっと楽になった」と言ってくれるだけで、自分の存在が役に立ったという実感が生まれます。
こうした「小さな貢献感」を繰り返し味わうことで、私たちの中に確かな自己肯定感が育っていきます。
実際、アルコール依存症や摂食障害などの当事者が集まる自助グループ(ピアサポート)では、誰かの話にただ耳を傾け、評価せずに受け止めるコミュニケーションが大切にされています。そこでは正論やアドバイスよりも、共感的な姿勢や経験の共有が重視されます。そうした関わり合いの中で、参加者は「自分はひとりではない」と感じ、少しずつ生きる力を取り戻していくのです。
共感のスタートラインは、評価や助言を急がず、まず感情に寄り添うことです。それは相手に「ここにいてもいいんだ」という安心感を与え、自分には「誰かの力になれた」という充実感をもたらします。この双方向の癒やしの中にこそ、共感モードの本質があります。共感を重ねる人ほど、周囲に好ましい影響を与えながら、自分自身の心も豊かになっていくのです。


