お墓を別の場所に移す「墓じまい」が、近年急増しているという。墓じまいを行う人の心理と、その裏にある落とし穴とは? 現役の僧侶が本音を明かす。

この10年で倍増…再考すべきケースは

今、「墓じまい」が一つのブームになっています。先祖の墓を撤去し、遺骨を別の場所へ移す「改葬」は、事実上の墓じまいにあたる手続きですが、厚生労働省の統計によれば平成26年度に約8万4000件だったものが、令和元年度には約12万件、令和6年度には約17万6000件へと、この10年でおよそ倍に増加しています。

ただ、僧侶として私はこのブームに一抹の危うさを感じています。というのも、墓じまいをする方の中に、本来なら立ち止まって考えたほうがよいのではないか、と思われるケースが少なからず含まれているからです。

当然ながら、正当な理由で墓じまいを行う方もいます。たとえば、墓が山の斜面や交通の不便な辺地にあるため、墓参りに通うのが物理的に難しかったり、ご本人が高齢になってしまい草刈りや掃除などの維持管理を定期的に行うのが難しくなった場合などです。

(構成=本誌編集部)