人間、誰しもが「おひとりさまになる可能性がある」と、相続の専門家は警鐘を鳴らす。判断能力があるうちに準備しておくべきこととは――。

親戚がたくさんいても「相続人なし」はある

私は司法書士・行政書士として、相続や遺言、認知症に備える「生前対策」のご相談を、これまで2000件以上お受けしてきました。その中で年々増えていると実感するのが、「おひとりさま」の終活に関するご相談です。

「おひとりさま」という言葉に、法律上の決まった定義はありません。使う人によって指す範囲はまちまちですが、厳格に捉えれば、法律上の相続人がいない、後に述べる「法定相続人」が誰もいない方を指します。

ただし、実際にご相談に来られるのは「親族はいるけれど疎遠」「近くに頼れる親族や友人がいない」という方のほうが多いのが実情です。私は、このパターンまで「おひとりさま」として考えておくべきだと思っています。