ダンス、加圧トレーニング、俳句の時間を楽しんでいる岸本葉子さん。「互いに深入りしない趣味仲間がいることで、かろやかな時間を過ごせている」という。

ゆる付き合いの仲間から焼き芋をもらい感動

この6月で65歳になりました。かつては還暦が人生の大きな節目というイメージでしたけれど、実質的な節目感は65歳へシフトしてきたと感じます。年金などの書類が誕生日のタイミングで届くので、行政の区分によって高齢者という枠組みに入ったことを、否応なく意識させられるからです。

だからこそ日頃から、自分の体の変化に敏感であるように努め、それに合わせた生活習慣の工夫が必要だと考えています。「動けるうちに、好きなことを、悔いのないようにやる」が、行動原理となる年代になったのです。

岸本葉子さん
岸本葉子 Yoko Kishimoto
1961年生まれ。エッセイスト。会社勤務を経て北京に留学。暮らしをテーマにした数多くのエッセイ集を刊行している。2021年には初の句集『句集 つちふる』(KADOKAWA)も上梓。近刊は『おひとりシニア、かろやかに暮らす』(中公文庫)、『50代からのしあわせ「ひとり旅」』(佼成出版社)。写真は吟行中のひとコマ。東京・日本橋にて。

私の場合、認知症になった父の介護と看取りを経験したことで、体の自立について明確な確信を得ました。介護保険など外部からのサポートを受けつつ、自宅で自立した生活を継続できるかどうかの決定的な分かれ目は「排泄を自分で行えるかどうか」にあります。そのために重要なのが、太ももの筋肉の維持です。

(構成=石井謙一郎)