この5年、日本の働く環境の中で何が大きく変わったかというと、セクハラや下ネタへの風当たりの強さではないでしょうか。ほんのひと昔前まで、男の甲斐性のひとつみたいなところがあり、女性ばかりが嫌な思いをしていました。

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2013年に起きたセクハラ事件例

ところが今はひとこと「セクハラされました!」と訴えられれば、すべての社会的地位が吹き飛びかねません。そんな事件も相変わらずたくさん起きています。不倫交際の別れ話のもつれも「セクハラされた」と言われてしまえば終わりです。そんなセクハラ爆弾。オフィスはいつ爆発するかわからないスリリングな戦場です。

さて、嫌な上司のセクハラ情報の使い方です。女性を助けてあげたい、セクハラは許せないという気持ちは当然あると思いますが、正義感をストレートに発揮したところで誰も得をしません。人事部に訴える、みんなの前で明らかにするというのは、そのときはスッキリするかもしれませんが、せっかくの大きなネタがもったいない。

大人の正義感はもっと狡猾にまわりくどく発揮してこそ、意義があると思うのです。

単純な利用法としては、あの上司はひどいね、えらい災難だねとセクハラに遭っている女性を慰めて仲よくなる。

いや、それだけでは物足りないですね。いかに一石二鳥三鳥を狙っていくかを常に考えるのが、先行き不透明な社会をたくましく生き抜いていくのには重要です。会社生活をより向上させる。居心地よくする。仕事をしやすくするためにどう利用できるのか、大人としては働かせたい計算のひとつです。