お勧めは中東のアルジャジーラ

この問いには明確にお答えできます。特定のメディアに頼らず、第一次情報に自ら積極的にアクセスしてからニュースを見るならどんなニュースサイトも役立ちます。

いまはインターネットであらゆる情報にアクセスできる時代。その気になれば密度の濃い第一次情報に簡単に辿りつき、ニュースの「大もと」に触れられます。

たとえば賛否両論で議論が沸き起こった特定秘密保護法案。内閣府のホームページに詳しい解説が載っています。それを見ればこの法案が降って湧いたものではなく、以前から検討されてきた重要法案だったこともわかります。内閣府に限らず、官公庁は意外と資料をしっかり公開しているんですよ。

企業関係のニュースも同じ。各企業のホームページに掲載されたプレスリリースは情報の宝庫です。「隠蔽体質だ」と批判する人も多い東京電力でも、実は震災直後のテレビ会議の様子をアップしています。記事はこうした第一次情報を見たり、記者会見に参加したりして書かれているはずですが、スペースには限りがありますから、ひとつのニュースで情報をすべて網羅するのは難しい。また各社の社風や記者自身の考え方が少なからず反映されることもあるでしょう。気になるニュースがあったら、まずは第一次情報に触れてからさまざまな媒体を見て、そのニュースがどのように報道されているかよく確認することをお勧めします。

「わからない」は疑心暗鬼のもと。断片的にニュースを見て不安になるより、多くの情報を手にしたうえでニュースに接してみてください。各報道の「空白部分」を見つけて情報を補い空白を埋める作業をすれば、ふわふわした不安が減って具体的な問題が浮き彫りになります。

すべてのニュースでこの作業をするのは無理ですから、関心があるテーマだけでかまいません。繰り返すうちに、記事の中に潜むオピニオン(意見)とファクト(事実)の見分けがつくようになってきます。そうすると時には、書き手が誘導したいオピニオンに沿ったファクトばかりがフォーカスされた記事があることにも気づくでしょう。「あれ? あのファクトに触れられていないぞ」という気づきから、そのメディアの報道の傾向を知ることもできます。