女性の転職希望者が3倍に
安倍首相が女性管理職の登用を経済界に要請して以降、日本企業からの求人の問い合わせが急増している。300~500人規模の中企業から大企業まで、業種を問わず増えている。また、転職志望の女性も多く、2013年4~9月期の当社サイト(会員制転職サイト「ビズリーチ」)への新規登録者数は、前年比3倍の勢いで伸びている。
帝国データバンクのデータによると、47%の企業で、女性管理職が一人もいない状況だ。これまで女性の採用や活躍推進に手が回っていなかったこれらの企業が、とにかく何かやらなければという意識になってきた。
企業からの問い合わせの中で多いのは、自社に管理職候補者がいないので管理職経験者を中途採用したいというものと、過去に採用したが、うまくいかなかったのでどうしたらよいかというものである。
失敗例で多いのは、人材紹介会社に依頼し、経歴や職歴など見た目の印象で即決してしまうパターン。人材紹介会社は採用が決まるごとにお金が入るフィービジネスなので、どうしても求職者のスペックのよさを強調する。しかし、どんなにすばらしい経歴の持ち主でも、よく吟味しないで採用すると、社風に合わないということで辞めることになる。
もう一つの失敗パターンは、自社に必要なスキルに注目し、ピンポイントで採用してしまうケース。たとえば英語が堪能だとか、ブラジルに進出したいので現地でビジネスを経験したことがある人がほしいなど。もっと細かいところでは、「アメリカで商標登録をした経験がある法務に通じた人がほしい」という超ピンポイントの依頼もあった。
確かにビジネスの変化が激しいので、今必要な人材をすぐにでもほしいという気持ちはわかるが、それだけで決めてしまうと危ない。
大事なことは自社に溶け込んで、どういう貢献をしてくれるのかを見極めることだ。チェックポイントとしては、まず本人がやりたいことは何か、やれないことは何かを具体的に聞き出すこと。