リクナビNEXTが今年1月、企業の人事担当者500人に実施した調査によると、女性の管理職登用に向けた取り組みとして「外部からの採用」を挙げた企業は1割強だった。
調査を実施した副編集長の原田芳江氏によると、「内部登用を考える企業が多いが、採用についても問い合わせが来ている」という。
管理職とグローバル人材に特化した会員制転職サイトを運営するビズリーチでも、2013年に入ったころから女性管理職を採用したいとの相談が増え、最近では女性側の意識にも変化が見られるようになったという。
その結果、2013年9月~14年2月までの同社サイトに登録する女性の新規会員数が前年同期間の3.9倍にまで増えている。
同社ダイバーシティ採用支援事業室の加瀬澤良年氏はその背景を説明する。「これまでは幹部候補の40~50代女性が即戦力としてヘッドハントされて転職となることが多かったのですが、最近は30代女性の登録が急に増えています。『女性管理職を○○人に増やす』『○%に上げる』といった大手企業の報道が増えたことによって、『もしかしたら自分にもチャンスがあるかもしれない』『次のところでなら評価されるかもしれない』と転職を前向きに考える女性が増えたのでは」
今のところ転職が決定した件数は少なく、これからだというが、企業にとっては「せっかく育てた女性を他社に取られないための環境の整備も重要」(加瀬澤氏)だ。
(ライヴ・アート=図版作成)