会社は男女関係には寛大なはずが……

(PIXTA=撮影)

男女関係をめぐるトラブルは、会社に迷惑をかけるようなことがない限り、問題にされることは少ない。だが、些細なことで将来を棒に振る男もいる。発端は食品会社の25歳の女性社員から人事部宛てに送られてきた一通のメール。内容は「上司の営業課長(51歳)が嫌なメールを何度も送りつけてくる。なんとかしてほしい」というもの。

文面には課長が発信した「今日の服はかわいいね、よく似合うよ」「仕事をしている○○ちゃんの横顔が非常にすてきだよ」といったメールが添付されていた。人事部長はこう語る。

「女性社員を呼んで話を聞くと、2人は男女の仲ではなく、飲み会の席でふざけてチークダンスを踊って以来、課長が舞い上がり、一方的にご執心らしい。しかも課長には妻子がいる。本人に注意することも考えましたが、逆恨みされて女性が不利益を被る恐れがある。次の異動で地方支店に飛ばしました」

社内不倫も問題を起こさなければお咎めなしだが、手を出してはいけない女性と関係を結ぶと手痛い目に遭う。外資系保険会社の人事部長は法人営業部長から部下の社内不倫についての相談を受けた。40代半ばの妻子ある課長が半年前に入社した契約社員の女性と不倫関係に。それが女性の夫に知られ、夫から課長に慰謝料を要求する電話が頻繁にかかるようになった。人事部長は言う。

「上司の部長が課長を問い質したところ、女性から飲みに誘われ、その後、ホテルで情事に及んだという。2回ほどつきあった後に、女性の夫から『浮気の証拠を持っている。慰謝料として300万円を寄越せ』と要求してきた。女性に真偽を確かめると『課長に誘われて仕方なくつきあった』と、食い違う発言をする。慰謝料の請求の件も夫には逆らえないと言うのです」