変わりゆく秋葉原、変わらない“趣味の街”の本質

なるほど、確かに……という見解である。「違法客引き」「違法店を摘発」などの情報が、SNSによって多くの人に届くようになった。また、「萌え・オタクの街」というイメージとのギャップもあり、最近になって急に治安が悪くなったのだと、筆者も含め一部の人々が思い込んでいたのかもしれない。

では、秋葉原はこれからどうなるか。電気街、パソコン、アニメ、フィギュア、萌え、サブカルなど、同地のトレンドや文化はさまざまな変遷を遂げてきた。だが、そこには昔も今も変わらない営みがあると梅本さん。それは、「つくる」「繋がる」「意味づける」の3つだという。

「つくる」「繋がる」について、こう話す。

「例えば電子部品屋さんに行って、ラジオを作りたいと店主に相談すると、いろいろ教えてくれますよね。さらに常連さんが『この部品はいいよ』と勧めてくれることも。趣味がきっかけで、趣味縁という繋がりができるんです」

秋葉原らしさを次世代にどう残すか

「意味づける」は、世界でも日本人が特に秀でている能力だと梅本さん。対象を単なる物事としてではなく、何かしらの価値や特別なものだという思いを投影し、感情移入する。結果的に大切にする。

その「意味づけ」は、秋葉原に根付いているACG文化(アニメ・コミック・ゲーム)と、非常に親和性が高いという。そして「つくる」「繋がる」と連動し、秋葉原の文化を築き、連綿と受け継いできたのだ。

「この3つを、秋葉原に集まる人たちが繰り返してきて、幾重もの層になって、『秋葉原らしさ』ができていると思うんです。

ときどき大きな出来事があり、価値観が変わってしまっても、『つくる』『繋がる』『意味づける』を継続していけば、秋葉原らしさは残るのではないでしょうか。

これからも『秋葉原クラスター』が、この3つを継続できるよう、行政や地域の人々と一緒に工夫していきたいですね」

街は、生きている。時代や出来事によって、姿を変えている。そして現在があり、刻々とまた変容していくのだと、梅本さんの話を聞いて改めて実感した。取材を通じて秋葉原クラスターになった筆者も、今後もこの街を楽しみ、見守っていきたいと思う。

メイド姿の女性たちがビラ配りをしていた
撮影=プレジデントオンライン編集部
秋葉原駅近くの歩道の様子。メイド姿の女性たちがビラ配りをしていた(写真の一部を加工しています)
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