物事の本質を見抜くにはどう考えるといいか。データサイエンティストの中村一也さんは「仕事ができる人は『当たり前』を疑う強力な思考ツールを持っている。スペースXを率いるイーロン・マスク氏は、『ロケットとは何か』に立ち返りその本質を見抜いた結果、最終的にスペースXの打ち上げコストを大きく抑えることに成功した」という――。

※本稿は、中村一也『すぐ決められる人がうまくいく』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

SpaceX社のクルードラゴン宇宙船
SpaceX社のクルードラゴン宇宙船(画像=NASA/SpaceX/PD NASA/Wikimedia Commons

仕事が速い人は「当たり前」を疑う

日々の仕事のやり方について、「昔からこうなっているから」「業界の常識だから」という理由だけで、何の疑問も持たずに続けていることはありませんか?

たとえば、毎週月曜日の朝に開かれる、目的が曖昧な定例会議。電子データで共有すれば済むはずの資料を、わざわざ印刷して配布する職場の慣習。

私たちは、知らず知らずのうちに、こうした「常識」という名の余計な情報に囲まれ、思考を鈍らせてしまっています。

仕事が速く、かつ本質的な結論を導き出せる人は、こうした「当たり前」を疑う強力な思考ツールを持っています。

それが、「第一原理思考(First Principles Thinking)」です。

これは、古代ギリシャの哲学者アリストテレスにまでさかのぼる思考法で、物事を、それ以上分解できない根源的な要素(第一原理)にまで分解し、そこからゼロベースで再構築していくアプローチを指します。

この思考法が強力なのは、物事の「本質」だけを抽出することで、それを覆い隠している無数の「余計な情報」をそぎ落とすことができるからです。